メディア掲載
雑誌等、メディアに取り上げられた情報をお知らせします。
日経ホームビルダー2012年10月号に掲載されました。読者の悩み『現場軽視の風潮に不安を感じることも』です。p103です。この記事はWEBで購入できます。
日経ホームビルダーのライター渡辺圭彦氏が取材に訪れました。取材目的は長期優良住宅に問題意識を持っている工務店の取材だったと思います。耐震診断・耐震補強に関する現場の風潮に対する憤りになってしまいました。これで記事が書けると思ったのか、長期優良住宅には入らずに取材は終わってしまいました。後に、荒川記者とは別ルートだったとわかりました。
私は現場調査が一番大事だと思っています。床下収納庫よりカメラを入れて、ぐるっと撮って「はい終わりました」みたいな耐震診断書作成だけが目的の調査でなく、真の耐力に肉薄するような調査をしたいと思っています。
耐震補強設計書を作るには、基礎位置を確定することが必要です。すべてわからないときもありますが、どこがわからないのか特定する必要があります。そのことが、お客様に無駄な工事代金を払わせないで済むことにつながります。
評点には、表れませんが水平方向にバラバラにならないか、弱点のチェックも重要です。
日経ホームビルダー2012年7月号に掲載されました。リポート『基礎ごと反転したプロセスを解く』です。p85~p91です。表題以外にも、筑波の竜巻被害を扱っています。この記事はWEBで購入できます。
日経アーキテクチュアの電話取材に、砕石地業に荒れがないことと3mほどはなれてべた基礎が反転して存在したことを理由に「垂直上昇した」と言ってしまいました。
日経ホームビルダーの荒川記者より倒壊過程をイラストにしたいので、略図を書いてと依頼されました。
改めて、写真を精査すると地面に筋の入った写真がありました。垂直上昇していませんでした。
この写真を隠せばミスを隠蔽できるとの誘惑もありましたが、学問のためには、開示すべきだと思いました。
開示するなら、他から指摘される前に修正したいとあせりました。この号で、他から指摘される前に修正することができました。
2パターンの略図を書いた後に荒川記者が、東京工芸大学教授の田村幸雄先生(国際風工学会会長)がおこなう転倒住宅の模型風洞実験を見に行く約束を知り、同行させてもらいました。建物が傾いて基礎が浮き上がると一気に持っていかれると言う人もいますが、実験では、建物が傾くと外壁面の寄与が少なくなって、割と長い間、少し基礎が傾いた状態を維持できることがわかりました。この間に砕石地業を荒らさずに斜めに排土していき、転倒したものと思われます。転倒した後に模型は滑っていきました。3mほど転倒線より、基礎が移動しているのも説明できそうです。
日経アーキテクチャ2012年5月25日号に掲載されました。ニュースの深層『上屋がべた基礎を持ち上げた』です。p7、p8です。この記事はWEBで購入できます。
日経アーキテクチャの記者の電話取材に「基礎が横に移動すれば生じる地業の荒れがない。基礎ごと上に持ち上げられたのでは」と言ってしまいました。後で転倒であることが解明されました。東京工芸大学教授の田村幸雄先生によれば、転倒にはおよそ風速100m/s、垂直上昇にはおよそ風速200m/sが必要とのこと。風工学的には、転倒の前に垂直上昇が起きるとは思えないと言われました。
今回は、5月6日の朝6時のNHKのニュースの映像を見て、あわてて準備をして出かけました。以前、館林の竜巻被害を見に行ったときの片付けのスピード早かったので現状がなくなってしまうと心配しました。
耐震診断や耐震補強に役に立つと思いました。
まず、映像では在来軸組工法に見えるが、他の工法ではないのか?在来軸組工法でした。しかもクレテック系ではない。ホールダウンアンカーボルトが20本も30本もあるようなエリート建築ではないのか?外壁の1辺を写した写真を確認しても1本のホールダウンアンカーボルトもありませんでした。全体で3~4本しかないであろう2000年の基準をぎりぎり満たしているごく普通の在来軸組住宅だと判断しました。2000年の基準がべた基礎を持ち上げるほどの上下緊結力を発揮していたのです。一方56年以前の在来軸組住宅と思われる木造住宅は、床を残して、飛散していました。またツーバイフォー工法のプレファブ住宅もほとんどが飛散していました。