耐震補強特殊解決事例
リフォーム時の撤去柱を再設置しました1
耐震診断でリフォーム時に1階で4本の柱が抜かれていることが判明しました。
8月に下屋の天井裏の空間で2時間ほど調査しました。汗びっしょりです。
リフォーム工事でやったことの解明が目的です。
リフォーム工事のアクロバット程度と、その場所の重要性、バックアップ工事の可能性を探るものです。
見積時は横からすり入れる工法を考えていましたが、耐震補強時にリフォーム材をチェックしていく過程で無垢の15mm床材を使っていることと天井裏に側面付けの金物が付くことが確認できたので、既存ほぞ穴の再利用工法に替えました。リフォーム時に打った根太掛けの釘をリョウビの小型レシプロソーで切断。小回りが利いて便利の電動工具です。
調査した写真と図面を構造事務所に見てもらいました。
2本の柱を抜く代りに入れた尺(30cm)梁のA位置断面欠損が一番重要な構造的なリスクであると言われました。
お客様はもう1本のEを戻せば何とかならないかとの意向でしたが、断面欠損の位置であり、より多くの2階荷重が入っているAに戻すべきとの意見です。
施工側から見てもEに近いBの施工信頼性(バックアップ施工性)よりもAに近いCの施工信頼性のほうが相当劣って見えます。
斜線部分の天井を開けるとともに構造用合板を張って剛性を確保する。同時に補強を行う計画です。他の部分は天井裏から金物取り付け可能と判断しました。
以上の説明で、お客様にも同意していただき、トールユニット正面の柱復帰工事になりました。
リフォーム時の撤去柱を再設置しました2
入れる柱と同じ幅の合板2枚を使って高さと梁の傾斜と下部の柱入れ込み時の検討をします。
柱脚部、フロアー取り合いは9mmの巾木厚で隠せる隙間であることを確認しました。
柱脚から入れて柱頭を梁下に滑り込ませる作戦です。調整合板を入れる予定でしたが、梁下端が入れ勝手に傾斜していて調整材なしでピッタリの寸法でした。
リフォーム時に撤去されたこの柱には2階の5本の柱が関係して、重量的にも2階柱3本強の力を負担していました。
バックアップ工事は『システムキッチントールユニットの片側扉が30°ぐらいしか開かないかも』との条件で始めました。お客様は開かなくても補強工事を進めてほしいとの意向でした。結果的には50°以上開き十分使えると喜んでいただきました。
この柱は垂直力を負担させることだけ考えています。
この構面にはリフォームにより有効な壁が1壁しかなく、3尺ずれた壁に水平力を負担させるために、天井を剥がしたついでに構造用合板を2階根太下面に張って水平剛性を確保しています。
木造3階建ての25KNのホールダウン金物の座付ボルト交換工事1
25KNのホールダウン金物に10KNまでしか使用が許されていない座付ボルトが使われていました。
鉄筋コンクリートの基礎に穴を開けて、コンクリートの基礎からホールダウンボルトを出すことにしました。
鉄筋のあるコンクリートに穴を掘ることは100%成功するとは限りません。
一期一会の気持ちでケミカルアンカー設置に挑みました。