耐震講師経歴
私、金井義雄の講師経歴です。 皆様の耐震に関する役立つツールになればと思います。ぜひご覧いただき、ご活用ください。
(社)埼玉県建築士事務所協会川口支部で講習会をしました 2009/03/03
「補強を見据えた木造耐震診断・現場調査」
(社)埼玉県建築士事務所協会川口支部
当講習会は竹ノ谷支部長の働きで、埼玉県で2番目の建築CPD対象講習会になるそうです。事務所協会は設計事務所が多い会ですから、建築士会で行なった講習より、大工・工務店向きの部分を減らして設計事務所向きの部分を中心に第1部を組みました。以下代表的なパワーポイントの画面から抜き出したものを列記します。
耐震診断とは
地震時の建物の危険性を察知すること
(1)建物がバラバラにならないか調査検証する
(2)耐力壁が足りているか調査計算する
駄目であることを証明するには(1)or(2)
大丈夫というには、(1)and(2)
耐震補強とは
地震時の建物の危険性を除去すること
(1)建物がバラバラにならないように緊結する
(2)耐力壁の必要量を満たす
工事後に大丈夫と言うには、(1)and(2)を満たす必要がある
診断の現場耐震調査からみえること
ほとんどの場合
大工は金物が嫌いだ(付けた後も邪魔)。
大工は垂直力処理のスペシャリスト・地震時のことは考えていない。
継手余長が短かくなる傾向にある。
手間受け大工には注意量一定の法則がある。デザインに凝ると構造で抜く。
地震被災地で見えたもの(構造)
常時荷重対策の延長線上に非常時荷重(地震)対策はない
大工は、常時荷重対策のスペシャリスト・地震対策も経験則で解かると思わないで!
地震時の木造住宅の挙動
地震時に木造住宅がどう揺れるか知っていますか?
壁は長方形を保つと思っていませんか?
交互に平行四辺形に変形します。
強い壁を造るのは簡単だが、それに耐える引き抜き対策は難しい
現地調査の重要性
図面だけでは誤った判断をする危険性があります。評点が1を超えた場合、以下の写真の部分を判断してなくて倒壊したらどうするの?
以上の見解は大工で一級建築士の金井が70件の耐震診断と15件の耐震補強より感じたものです。川口支部の公式見解ではありません。
埼玉建築士会で講師してきました 2009/02/13
『実例に学ぶ木造住宅の耐震補強』研修会― 耐震補強は創意工夫の外科手術だ! ―
江森さんが【耐震補強は創意工夫の外科手術だ!】という刺激的な副題をつけてくれました。
今までに耐震補強の現場で、「耐震補強は外科手術だね」とお客様より2度言われたことがあります。
最初のは「開けてみないとわからない!」という意味です。診断してますから、そんなにわからなくもないのですが、増築部がバラバラにならないための工事を3ヶ所の見積で4ヶ所、真夏の天井裏で熱中症の危険を冒してやりました。
次のは、「執刀医は選らばなければ!」という意味でした。私がこの言葉に籠めた思いは、「失敗したら、倒壊した家で死ぬ可能性のある耐震補強は、壁強さ倍率表が1枚あればできるという舐めた態度と勉強不足でもいいの!」と意味です。
中越地震で見えた金物の必要性では、大工・工務店向けには、経験側からは耐震を理解することができないこと。本音で金物の必要性を感じてほしい。
現場調査の重要性では、設計事務所向けに、パソコン上の数字合わせだけでいいの?という警告として木造住宅の耐震補強の施工例では、今回講師に選任していただいた江森さんの意向を満たすべく、GW工法(一部ML工法)の耐震補強例を紹介しました。